守られているの?勧誘方針

投資信託を販売する際、売り手である金融機関には商品の内容やリスクなどについての説明責任というものがあり、またそれらを記した目論見書の交付も義務付けられています。さらに、店頭などには勧誘方針なるものも掲げていて、そこにはお客様の運用目的や資産状況などをふまえて適切な商品をすすめます、十分な説明をするよう努めます、誤解を招くような勧誘はしません…などなど、安心して取引できそうな印象を与える言葉が並んでいます。

しかし、現実には投資信託の契約トラブルが多発しています。なぜでしょう?これは、担当者の説明のやり方ひとつで、その商品に受ける印象が大きく影響されるからだと思っています。
ここからは、あくまで私の個人的な意見として判断していただきたいのですが、よい担当者か、自分のノルマ・目標達成しか考えていない担当者かを区別する大きなポイントは、「リスクやコストなどのマイナス面について、最後にもう一度きちんと話すかどうか」だと思っています。
同じ商品の説明を受けても、その進め方によっては、その印象に差が出てきます。
たとえばこんな感じです。「元本保証はないらしいけど、これまでうまくいってるって言うし、大丈夫でしょ」という解釈と、「今までの実績では収益も安定した状態で運営されてきたらしい。でも元本保証はないから、今後どうなるかは分からない、って言われたな」という解釈。…いかがですか。両者の間にかなり「リスク」にたいする認識の違いがあると思いませんか?しかしこの程度のことは、説明する側の話の持って行きようで大きく左右されるのです。
「最初にけなされても後からほめられると気分がいいが、逆だと気分が悪い」という人間心理を利用するのです。

この心理について一例をあげてみましょう。
「あなたはまだまだミスもするけど、成長してきたわね」「あなたは成長してきたけど、まだまだミスをするわね」
「あいつ普段は態度悪いけど、結構いいところもあるんだよ」「あいつ結構いいところもあるんだけど、普段は態度悪いんだよな」
…これらを聞いて、どちらがいい印象をうけますか?たいていの人は前者じゃないでしょうか。

対人関係においては、この「先にけなしてあとでほめる」というのがいいと思いますが、投資信託などのリスク商品に関しては、あえてこの逆をするべきではないかと思います。「投資信託は定期預金などとは違いますから元本の保証などはありませんが、これまでの実績を見て下さい。順調に収益を上げてきていますよ」という説明と、「この商品は、これまでの経過では順調な収益を上げてきていますが、あくまでこれは過去の実績です。投資信託には元本の保証などがありませんので、今後の状況によっては、お客様が損をしてしまう可能性もある、ということはご理解ください」という説明。あるいは本当に誠実なのは後者だと思います。確かに、過去の実績もある程度の参考にはなるでしょう。しかし、実績があるから安心できるでしょ、という印象を与えるのは間違っていると思います。だってあなたが投資するのはこれから先、なのですよ。

投資信託には、程度の差はあれリスクというものはかならずあります。そしてそのリスクをかぶるのはお客さんなのですから、この点については十分すぎるほどの説明が必要だと思います。でも、実際にそれをやってくれる担当者は少数派です。リスクなどにたいして冷静に考えると、尻ごみしちゃうお客さんも多いですからね。リスクなどのマイナス面の話はできるだけサラっと流す、意識的にそうした話し方をしている担当者が多いというのが現実です。

担当者から話を聞けば商品について分かる、という受身の姿勢ではなく、目論見書の内容を何度も読み返すなどして、自発的に総合的な判断をするようにして下さい。目論見書をよく理解することによって、担当者が「あまり触れたくない」ところも見逃さないですみます。

実際ひどいのもいましたよ。投資にはまったくといっていいほど無知な状態のお客さん、この人が担当者の説明をひたすら頼りにしきっていたのですが、それをいいことに、マイナス面についてはほとんど「話していないも同然」レベルで契約させようとした担当者とか。誰もが名を知る某大手証券会社での話です。窓口で見かけたのですが、あまりのひどさに、帰り際に他の担当者呼んで「あの人、ぜんぜん説明責任果たしてないままで投資信託の契約させようとしているみたいですが、ここではそういう勧誘をしても問題ないんですか?」とだけ、指をさして大声でいってきました(苦笑)。その後どう対処したのかは知りません^^;

勧誘方針にいくらご立派なことが書かれていても、その解釈は担当者によってかなり違ってくるのです。「誤解を招くような勧誘」はしなくても「売り手側のペースに誘導する」レベルの勧誘ぐらいは平気でしかけてきますので、ご注意を。

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