投資信託と株の違い

さて、投資といえば身近なところで「株購入」があげられますが、ちょっとこれと投資信託を比べてみましょう。
たとえば自分で株を買おうと思った場合、株には「単元株」という最低売買単位が設定されており、株の売買はこの単元株数をもとにおこなわれています。たとえば単元株数が100株となっている銘柄の場合だと、100株未満を買おうとしても買えない、ということなんです。

ですから、株購入にはそれなりのまとまった資金が必要になってきます。数十万、あるいは数百万などとなるのもごく普通のことです。しかもそれで買えるのは1銘柄、といった感じで、まさにその銘柄に命運を託すという状況。もしもその銘柄がコケてしまったら、残念ながらその株は紙くず同然の価値しか残りません。

しかし、投資信託は違います。最低1万円からのスタートが可能という、とってもハードルが低い投資。こんな低額からの投資が成り立つのも、たくさんの人からお金を集めるからこそです。ひとりひとりの投資額がたいした金額でなくとも、たくさん集まればそれだけ巨額の運用資金となり、大きな力となります。こうして運用資金が巨額になればこそ、運用のための投資先もひとつに絞ることなく、複数に分散することができるというわけです。

投資信託と株の違いはこれだけではありません。
株購入の場合、何よりも、運用そのものについての知識というのがある程度は必要になってきます。つまり、運用についての見きわめがすべて「自分自身」にかかってくるというわけです。うまくいけば株価上昇で大きな収益をあげることができますが、失敗したら目も当てられないような惨状になることも。
今は「こんな大きな会社がつぶれることはないだろう」というのが通用しない時代です。かつてはつぶれるはずがないと考えられていたところでも、あっさりつぶれてしまうのです。かくいう私も銀行出身者でありながら、約10年前に北海道拓殖銀行がつぶれた時はただ驚きましたよ。北海道拓殖銀行って、北海道在住の人以外にはなじみが薄い名前かもしれませんが、これでも立派な都市銀行のひとつでした。
ここの破たんは銀行員の間でも大きな話題となったんです。私はそれまで、「たとえ経営状態がどうであっても、仮にも「都市銀行」と位置づけられているほどの銀行を、絶対に国がつぶしはしない」と思っていたんです。しかしこの件があってから、「つぶれないところなんてないんだ」と強く認識するようになりましたよ。

他にも、よく世間に知られる大きな倒産劇といえば、そごうやマイカルなどもあげられますね。そしてこれからも、経済情勢などでどう企業の勢力図が変わっていくかわかりません。そして自分で株を買うということは、この見きわめもすべて自分でしなければならないのですよ。
株購入はリターンとリスクの振り子の幅がきわめて大きいのです。比較的大きな資金を投入するだけに、この影響は無視できません。

それに比べて投資信託の場合は、いったん購入してしまえば、その運用そのものをおこなうのはプロの人です。つまり、日々の運用はプロまかせ。文字通り「投資の資金を、プロの力を信じて託す」という商品なのです。ですから、投資家自身が運用についてたいした知識を持っていなくても始められます。
投資信託は多くの人から託されたお金を運用するわけですから、やはりそれなりの安全性を考えて運用をおこなうので、株のように「ある日いきなり急上昇して大もうけ」という可能性はほとんどありません。しかし投資信託にももちろんリスクはあります。どの投資信託商品を選ぶかというのは個人の判断ですし、さらに運用についても、いくらプロといってもすべてが思い通りにいくとは限りませんから、収益があげられない、元本割れという可能性もないとはいえません。しかし、投資信託はある程度の安全性を考慮して投資先を分散しているので、そのうちひとつの投資先がマズい事になったからといって、いきなり価値が紙くず同然、というところまではいきません。株に比べると、リターンとリスクの振り子の幅はかなり小さいといえるでしょう。

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